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2008.03.31(Mon)

GW公開 ボブ・ディラン伝記映画「I'm Not There」 


 すでにヴェネチア国際映画祭で「審査員特別賞」と「優秀女優賞」を受賞しているボブ・ディランの伝記映画「I'm not there」が、ようやくゴールデンウィークに日本へ上陸。6人の俳優がそれぞれ違う名前で「6人のボブ・ディラン」を演じる異色作。

 なかでも話題性が高いのが、60年代中期のディランを演じた女優ケイト・ブランシェット(ジュード役)。優秀女優賞を受賞していることからも、かなりいい線いっているようですが。……ほかに、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、クリスチャン・ベールらの俳優がディラン役で登場。シャルロット・ゲンスブール、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズほか共演。監督トッド・ヘインズ。映画は2008年4月26日公開予定です。

 注記:「I’m Not There」1967年の「Basement Tapes」の中の1曲。


I'm Not There Movie Clip
   ディラン(C・ブランシェット)が車で移動中
   バイクに乗った詩人アレン・ギンズバーグ
   と "路 上" で出会うシーン。

I'M NOT THERE - Trailer

予 告 編


   昨秋の記事…ケイト・ブランシェット、ボブ・ディランを演じる

   I'm Not There - official site so good
   I'm Not There - official site(日本語)
   I'm Not There - soundtrack/MySpace_com
  関 連   DYLAN 07(オフィシャル)Sony Music Japan



 補 記)

 劇中、車上でディランが出会う詩人アレン・ギンズバーグは、ジャック・ケルアック、ウィリアム・バロウズとともに、50年代カウンターカルチャーのトップランナー(牽引者)となった「ビート族」の教祖的存在。60年代ヒッピー文化の生みの親。1988年日本にも来日し、詩人の白石かずこさんや谷川俊太郎さんらと朗読会をひらいています。

 ギンズバーグとケルアックについては、四半世紀ほどまえ「ユリイカ」誌上で「マン・レイ特集(+デュシャン)」が組まれたさい、通りすがりに、同誌の別のページに掲載されていた2人の詩を読んで「これは覚醒剤だ!」と直感したのを、今でもよく覚えています。

  ビートニク詩人 アレン・ギンズバーグ展覧会~原宿新聞
  映画「ビートニク」紹介/出演:ジョニー・デップ ほか
  The Allen Ginsberg Project(official siteみたいなHP)
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テーマ : 気になる映画 - ジャンル : 映画

EDIT  |  20:15 |  映 画 ................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

芸術都市パリの100年展 


 1858年(安政5)日本とフランスのあいだに日仏修好条約が締結されて今年で150周年にあたるのを記念して開催される展覧会。ルーヴル、オルセー、ポンピドゥー、プティ・パレ、カルナヴァレ、マルモッタン、ロダンなど世界的に知られる美術館の協力により、パリをテーマとした近代フランス約100年の油彩画、彫刻、素描、版画、写真など約150点が出展されます。


  会 場 東京都美術館
  会 期 2008年4月25日(金)~7月6日(日)
EDIT  |  20:36 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

モディリアーニ展2008 


 エコール・ド・パリを代表する画家モディリアーニ。 この展覧会では、素朴な造形感覚にあふれるアフリカや東南アジアなどの芸術に関心を寄せていた点に注目。

「原始美術の影響を色濃く示す初期の〈カリアティッド〉の作品群から独自の様式を確立した肖像画にいたるまで、 幅広い作品を紹介し、 プリミティヴィスム(原始主義)に根ざしたモディリアーニの芸術がいかなる変遷をとげたのかを探ります。」
(案内文より)

 世界中から集められた油彩・素描約150点の作品が出展されます。


  会 場 国立新美術館
  会 期 2008年3月26日[水]~6月9日[月]
EDIT  |  20:30 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

イタリア映画祭2008 


 8回目を迎える今年は、2006年以降に製作された「潮風に吹かれて」「対角に土星」「考えてもムダさ」「いつか翔べるように」「カラヴァッジョ」など新作11本と短編4本のほか、映画史に残るフェリーニの「8 1/2」がプレミア上映されます。


   会 場 有楽町朝日ホール
   会 期 2008年5月1日~2008年5月6日
EDIT  |  20:10 |  映 画 ................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

ターナー賞の歩み展 


 アートの新しい地平を拓く気鋭の才能を見いだすべくウィリアム・ターナーの名にちなんで創設された「ターナー賞」。毎年、絵画・彫刻・写真などの分野で数名のアーティストをノミネート(50歳未満の英国人及び英国在住者が選考対象)。その作品を展示し、最終選考で受賞者1人を選出しています。今回の展覧会は、このターナー賞の歴代受賞者すべての作品を一堂に集める史上初の試み。


  会 場 森美術館
  会 期 2008年4月25日(金)~2008年7月13日(日)
EDIT  |  20:00 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

百花繚乱の絵画 


 神奈川県立近代美術館・葉山館の開館5周年を記念して開催される全館あげてのコレクション展。葉山館・鎌倉館・鎌倉別館で同時に開催し、1万点に近い収蔵品からセレクトした選りすぐりの作品約400点で構成。おもな出展作家は次のとおりです。

 葉山館  … 麻生三郎 松本竣介 斎藤義重、村井正誠、阿部展也
 鎌倉館  … 高橋由一 黒田清輝 岸田劉生、萬鉄五郎 佐伯祐三 三岸好太郎
 鎌倉別館 … 横山大観 片岡球子 山辰雄など主に明治から現代までの日本画


  会 場 神奈川県立近代美術館
  会 期 2008年3月29日(土)~2008年5月18日(日)
EDIT  |  19:50 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.28(Fri)

映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」 

 埋もれているただならぬ才能を見いだすのもクリエーターの隠れた仕事のひとつ。

 1973年。
 シカゴでひっそりと息を引き取った主(あるじ)が孤独に暮らしたアパートの部屋から発見されたもの。それは「非現実の王国で」と題された15000ページを超える小説の原稿と数百枚の挿絵。

 身寄りもなく、たったひとり、雑役夫として働いた病院と教会のミサを行き来するだけの貧しい生活を送ったヘンリー・ダーガー。

 ロサンゼルス州立美術館の「アウトサイダーアート・コレクション」の中に埋もれていた彼の作品を見て「とてつもない何かが隠されている」と確信した映画監督ジェシカ・ユーが、たんねんな追跡取材と制作に5年の歳月を注いでできあがった映画。

 物語りは、破格の能力を備えた邪悪なグランデリニアンから子供たちを救うべく立ち上がる7人の無垢な少女たちヴィヴィアン・ガールズ(ある時は荒れ狂う空のもとで陽気にはしゃぎ、ある時は兵士と戦い、またある時は翼を持った幻想的な生き物に助けられる両性具有の少女たち)の壮絶な闘いと功績をつづる叙事詩。 原作の絵の中の要素だけを拾いだし、2年を費やして制作されたアニメーションが圧巻。


   映画「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」 公式サイト
      ~ 映画は3月29日よりシネマライズにて公開。

テーマ : 公開予定前の映画 - ジャンル : 映画

EDIT  |  18:45 |  映 画 ................  | Top↑
2008.03.27(Thu)

パンダの気持ちは …… !? ~ 台 湾 ~ 


JALPAK CHANNEL
 帰属問題でゆれる中国と台湾。パンダ外交を展開する中国に対し、これまで陳水扁政権の台湾では受け入れを拒否してきました。しかし先日の選挙で勝利し、かねてより「パンダは中国共産党員ではない」と公言していた馬・次期総統がパンダ受け入れの姿勢を示唆したため、気のはやい台湾の各動物園では、争奪戦が始まった模様。

 すでに台北市立動物園など3動物園が、受け入れに名乗りを上げているそうです。「台湾は中国の一部」と主張する中国政府との間で揺れる台湾は、チベット同様、つねに(中国と)緊張関係にあるので、「パンダといえどもただカワイイというだけではすまない」ということなのでしょうが、人間の都合で海を越えてあっちこっち連れていかれるパンダたちにとっては、いい迷惑(--;)かもしれませんねえ。

  台湾:中国からパンダ受け入れか 早くも動物園で争奪戦
  パンダやっぱり欲しい…いったん拒否の台湾で誘致競争熱気
  <パンダ熱>台北市が獲得か、市立動物園で受け入れ準備すすむ―台湾

テーマ : 海外ニュース - ジャンル : ニュース

EDIT  |  20:45 |  話 題 ................  | Top↑
2008.03.27(Thu)

「紙ヒコーキは宇宙から帰還できるのか」 -実験が宇宙で実現する 

 1月18日付のこのブログでもご紹介した「宇宙から紙ヒコーキを飛ばしたら無事地球に帰還できるのか?」という実験が、今度は地上ではなく実際に宇宙から行える、というニュースです。 記事によると、

 「宇宙航空研究開発機構は26日、東京大などが計画している国際宇宙ステーション(ISS)からの紙飛行機帰還実験に参加することを文科省宇宙開発委員会に報告した。」  とのこと。

 先日スペースシャトル・エンデバー号で国際宇宙ステーションに乗り込んだ土井隆雄さんが日本の実験棟「きぼう」を設置したことで、宇宙空間から紙ヒコーキを飛ばす実験が一気に現実味をおびてきました。

 帰還実験は、地上での実験で想定されたものと同様、高温に耐える特殊な紙をスペースシャトルの形に折り、地球を周回している国際宇宙ステーションから、進行方向と逆向きに打ち出し、大気圏突入後も燃え尽きることなく地上に戻ることができるかを調べる、というもの。

 宇宙航空研究開発機構は、「宇宙開発の啓発教材や耐熱性新素材の開発」という点で注目し、企業や大学と協力して新しいビジネスの創造をめざす「公募事業の1つとして実験を採用した」そうで、今後、実験が実現可能か国際宇宙ステーションの参加国などと調整を進め、具体的な計画策定プランを練り上げていくようです。

 実験に協力した日本折り紙ヒコーキ協会さんにとっても嬉しいニュースでしょう。 いやあそれにしても、紙(ヒコーキ)を宇宙空間に飛ばすという着想は、何度思い返してもすばらしい!

テーマ : 宇宙・科学・技術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

EDIT  |  00:45 |  サイエンス ..........  | Top↑
2008.03.26(Wed)

「日本天文学会創立100周年」の記念切手 

  明治41(1908)年1月に創立された日本天文学会の100周年を記念して3月21日に発行された特殊切手。
 1 太陽と太陽系の天体I
 2 太陽と太陽系の天体II
 3 系外銀河
 4 X線天文衛星「すざく」
 5 小惑星探査機「はやぶさ」
 6 小惑星と地球
 7 国立天文台「すばる望遠鏡」
 8 銀河系と様々な天体
 9 火星
 10 国立天文台「野辺山45m電波望遠鏡」

 1シート10枚。
 発行枚数 1300万枚 (130万シート) 。
EDIT  |  00:35 |  サイエンス ..........  | Top↑
2008.03.25(Tue)

「トロッコ」芥川龍之介 ~傑作選 

 小田原熱海間に、軽便鉄道敷設(ふせつ)の工事が始まったのは、良平の八つの年だった。良平は毎日村外(はず)れへ、その工事を見物に行った。工事を――といったところが、唯トロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。
 トロッコの上には土工が二人、土を積んだ後に佇(たたず)んでいる。トロッコは山を下るのだから、人手を借りずに走って来る。煽(あお)るように車台が動いたり、土工の袢天(はんてん)の裾がひらついたり、細い線路がしなったり――良平はそんなけしきを眺めながら、土工になりたいと思う事がある。


 これは僕が中学にあがったとき国語の教科書で教わった芥川龍之介の掌編「トロッコ」の書き出し。作業で乗り降りするトロッコに憧れた8歳の良平が、気のいい2人の土工に出会い一緒にトロッコへ乗り込み、いくつもの勾配を登ったり降りたりする。しかし、いつしか、遠い見知らぬところまでついてきてしまった心細さが、良平の心を占領しはじめる。と、そのとき……。

「われはもう帰んな。おれたちは今日は向う泊りだから」
「あんまり帰りが遅くなるとわれの家でも心配するずら」
 良平は一瞬間呆気(あっけ)にとられた。もうかれこれ暗くなる事、去年の暮母と岩村まで来たが、今日の途(みち)はその三四倍ある事、それを今からたった一人、歩いて帰らなければならない事、――そう云う事が一時にわかったのである。良平は殆ど泣きそうになった。が、泣いても仕方がないと思った。泣いている場合ではないとも思った。彼は若い二人の土工に、取って附けたような御時宜(おじぎ)をすると、どんどん線路伝いに走り出した。

 …… 中 略 ……

 蜜柑畑へ来る頃には、あたりは暗くなる一方だった。「命さえ助かれば――」良平はそう思いながら、辷(すべ)ってもつまずいても走って行った。
 やっと遠い夕闇の中に、村外れの工事場が見えた時、良平は一思いに泣きたくなった。しかしその時もべそはかいたが、とうとう泣かずに駈け続けた。
 彼の村へはいって見ると、もう両側の家家には、電燈の光がさし合っていた。良平はその電燈の光に、頭から汗の湯気の立つのが、彼自身にもはっきりわかった。井戸端に水を汲んでいる女衆(おんなしゅう)や、畑から帰って来る男衆(おとこしゅう)は、良平が喘(あえ)ぎ喘ぎ走るのを見ては、「おいどうしたね?」などと声をかけた。が、彼は無言のまま、雑貨屋だの床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。
 彼の家の門口(かどぐち)へ駈けこんだ時、良平はとうとう大声に、わっと泣き出さずにはいられなかった。その泣き声は彼の周囲へ、一時に父や母を集まらせた。殊(こと)に母は何とか云いながら、良平の体を抱えるようにした。が、良平は手足をもがきながら、啜(すす)り上げ啜り上げ泣き続けた。その声が余り激しかったせいか、近所の女衆も三四人、薄暗い門口へ集って来た。父母は勿論その人たちは、口口に彼の泣く訣(わけ)を尋ねた。しかし彼は何と云われても泣き立てるより外に仕方がなかった。あの遠い路を駈け通して来た、今までの心細さをふり返ると、いくら大声に泣き続けても、足りない気もちに迫られながら、…………


 少年時代に経験する目新しいものへの強い好奇心や憧れ。しかしそれを手に入れたと思った瞬間、ふいに打ちのめされてしまう現実。ふって湧いた心細さと絶望感、不安、恐怖心といった、少年期特有の心理状態を短い枚数で見事に描き出した一作。(この作品は友人の実話をもとに作られたと記憶しています)

 ほかの芥川作品では、コンプレックスと人間心理の不条理な関係をブラック風味のユーモアで描いた「鼻」(師である夏目漱石が激賞した作品)や、お釈迦様が天上界の蓮池から地獄であえぐ罪人カンダタに垂らした1本の蜘蛛の糸が、そのエゴイズムゆえ彼をふたたび地獄へと突き落としてしまう「蜘蛛の糸」、地震・火事・飢饉で荒廃した京都市中で途方に暮れる下人が、生活の糧を得るため死人の髪を抜く老婆を、今度は自分が生活の糧を得るために襲い、衣服をはぎ取って闇に消える「羅生門」(「今昔物語」を題材にして生まれた作品) …などがお奨めです。


   「トロッコ」芥川龍之介 青空文庫
   芥川龍之介 - ウラ・アオゾラブンコ
EDIT  |  18:05 |  CM 文庫 ............  | Top↑
2008.03.25(Tue)

「夜長姫と耳男」坂口安吾 ~傑作選  

 オレの親方はヒダ随一の名人とうたわれたタクミであったが、夜長の長者に招かれたのは、老病で死期の近づいた時だった。親方は身代りにオレをスイセンして、
「これはまだ二十の若者だが、小さいガキのころからオレの膝元に育ち、特に仕込んだわけでもないが、オレが工夫の骨法は大過なく会得している奴です。五十年仕込んでも、ダメの奴はダメのものさ。青笠(アオガサ)や古釜(フルカマ)にくらべると巧者ではないかも知れぬが、力のこもった仕事をしますよ。宮を造ればツギ手や仕口にオレも気附かぬ工夫を編みだしたこともあるし、仏像を刻めば、これが小僧の作かと訝かしく思われるほど深いイノチを現します。オレが病気のために余儀なく此奴を代理に差出すわけではなくて、青笠や古釜と技を競って劣るまいとオレが見込んで差出すものと心得て下さるように」
 きいていてオレが呆れてただ目をまるくせずにいられなかったほどの過分の言葉であった。


 これは「夜長姫と耳男」の書き出し。飛騨地方を旅行したことで生まれた安吾の異色作の1つ。アナマロ、青ガサ、フル釜、チイサガマなど、ユニークな名が続々登場。天真爛漫な夜長姫の秘める残酷さに、耳を斬り落とされても一心不乱に冥府魔道を超えんとするミロク像を作りつづける飛騨のタクミ耳男(ミミオ)のいちずな魂が立ち向かう。同系の「桜の森の満開の下」より寓話性の強い作品。

 ほかの作品では [小説]=「黒谷村」「アンゴウ」「紫大納言」「白痴」「桜の森の満開の下」「不連続殺人事件」/[評論]=「不良少年とキリスト」「教祖の文学」「デカダン文学論」/[エッセイ]=「風と光と二十歳の私と」「真珠」「小さな山羊の記録」 …などもお奨めです。

   「夜長姫と耳男」坂口安吾 青空文庫
   坂口安吾 - ウラ・アオゾラブンコ
   坂口安吾の世界~洋書仕様「桜の森の満開の下」
EDIT  |  00:55 |  CM 文庫 ............  | Top↑
2008.03.24(Mon)

「六白金星」織田作之助 ~傑作選 

 楢雄は生れつき頭が悪く、近眼で、何をさせても鈍臭い子供だつたが、ただ一つ蠅を獲るのが巧くて、心の寂しい時は蠅を獲つた。蠅といふ奴は横と上は見えるが、正面は見えぬ故、真つ直ぐ手を持つて行けばいいのだと言ひながら、あつといふ間に掌の中へ一匹入れてしまふと、それで心が慰まるらしく、またその鮮かさをひそかに自慢にしてゐるらしく、それが一層楢雄を頭の悪いしよんぼりした子供に見せてゐた。ふと哀れで、だから人がつい名人だと乗せてやると、もうわれを忘れて日が暮れても蠅獲りをやめようともせず、夕闇の中でしきりに眼鏡の位置を直しながらそこら中睨み廻し、その根気の良さはふと狂気めいてゐた。

 これは「六白金星」の書き出し。秀才の兄にくらべ何をやってもどんくさいが個性の強い楢雄(ならお)の孤軍奮闘ぶりを、天才・織田作之助のユーモラスでシャープな筆が活写する逸品。ほかでは代表作「夫婦善哉」や、しぶい才気が光る中編「世相」、死んだ一代をめぐって京都の競馬場から小倉の競馬場へと流れてゆく2人の男のアヤを謎解きのように描いた名作「競馬」などもお奨めです。


   「六白金星」 織田作之助 青空文庫
   織田作之助 - ウラ・アオゾラブンコ
EDIT  |  23:40 |  CM 文庫 ............  | Top↑
2008.03.23(Sun)

ネット界の変遷 2001 ― 2008 

 いま振り返るとネットを始めた2001年当時は、まだまだのんびりしていたね。

 キーワード検索しても、該当するサイトやページのヒット数はそれほどでもなかったし、PCライフやネット入門に関する情報も ~たとえば「あちゃら」(リクルート発行)のように~ 紙(雑誌)の媒体が多かった。

 そのころ段違いに隆盛をきわめていた、おびただしい数の登録サイトや宣伝掲示板。それから「検索君」に代表されるテキスト系のメールマガジンの数々。そして個人サイトにくまなく設置されたBBS。

 2002年に入ってまもなく変化を見せたのがメールマガジン。HTML形式のカラー版のメールマガジンが登場するようになり、さまざまな広告商品とタイアップしたメルマガが相次いで配信されるようになりました。これにより、主流だった検索君などテキスト系のメルマガは一気に衰退してゆきました。

 2003年になると、ごく一部で「ブログ」という名称を目にする機会がでてきました。この年の夏、ぼくもサイトへのアクセスの一助にでもなればと思い、最初のブログを立ち上げました。まだ大半の人がブログという名称も存在も知らなかったころ、だったと思います。しかしかようにブログユーザーが少数派でしたので、サイトへのアクセスにつながるような役割もまた、あまり果たすことができませんでしたが。

 個人的には秋になって、それまで接続時間で課金されていたダイヤルアップから、定額で常時接続できるADSLに移行。チャットもメッセンジャーも動画視聴も、接続時間や料金を気にせず行えるようになりました。そしてこれは僕だけではなく、この時期あたりから全国的に常時接続の環境がひろがっていったように記憶しています。

 ブログ人口は2004年ごろから日を追うごとに増えていったわけですが、爆発的な増加をみせたのは2005年に入ってから。キッカケになったのは、相次いで立ち上がった著名人によるたくさんのブログ。この年のブログユーザーの激増ぶりは圧倒的でした。

 タグなどの知識がなくてもすぐに開設できる簡易さに加えて、手帳ツール・日記ツール・掲示板(コメント欄)の機能をあわせ持ったブログの利便性が、年齢や性別を超え万人受けしたということなのでしょう。テレビのニュースでブログという単語が出回りはじめたのも、この年だったように思います。

 それでも2006年の後半あたりから、ユーザーに疲れがでたのか、加熱ぎみだったブログの世界も徐々に落ち着き、(更新頻度やコメントの書き込みなどにも)ひところのような喧噪はなくなっていったような気がします。

 2007年~2008年。かわって台頭してきたのが、動画投稿サイト。あっというまに国際的な普及をみせた「You Tube」の存在は大きく、つい最近起こったチベットの暴動も、中国政府の公式発表を尻目に(?)ケータイで撮影された動画が配信されたようだし、ヒートアップしているアメリカ大統領選でもリアルタイムで You Tube が活用されたりしています。日本ではお馴染み「ニコニコ動画」が盛況。フランスのDailymotion、韓国のPandora.TVなど、他の国々でも動画サイトがたくさんの人々に利用されています。

 こうして見てくると、わずか数年の変遷なのに、テキスト系のメルマガや宣伝掲示板が隆盛をきわめていた頃が、なつかしい気さえしてきます。ネット界における世界的な動画の時代の到来は、ながいあいだ主流だったテレビの時代を凌駕(りょうが)しつつあり、有名無名を問わず、作品を制作したクリエーターに支払われるギャランティ(対価)も、直接スポンサーとの間でやりとりされる流れとシステムを構築しはじめました。

テーマ : 思うこと - ジャンル : 学問・文化・芸術

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2008.03.22(Sat)

特別展 「対決-巨匠たちの日本美術」 

 岡倉天心らによって創刊された日本東洋美術研究誌『國華』の創刊120周年を記念して開催される特別展。今に名を残す作家同士の関係性に着目し、中世から近代までの巨匠たちを2人ずつ組み合わせ、「対決」させる形で紹介。

 対決していただくのは、安土桃山時代に天下人の御用を激しく争った「狩野永徳と長谷川等伯」や、RINPA(琳派)芸術をつくりあげた「俵屋宗達と尾形光琳」、世界に名をはせる浮世絵師「喜多川歌麿と東洲斎写楽」など12組で、国宝・重要文化財など約100点の名品が一堂に会します。

 【巨匠「対決」の組合せ】
 運慶×快慶 / 雪舟×雪村 / 永徳×等伯 / 光悦×長次郎 / 宗達×光琳 /
 仁清×乾山 / 円空×木喰 / 応挙×芦雪 / 若冲×蕭白 / 大雅×蕪村 /
 歌麿×写楽 / 鉄斎×大観

  会 期 2008年7月8日(火)~8月17日(日)
  会 場 東京国立博物館
  主 催 朝日新聞社 特別展「対決-巨匠たちの日本美術」
EDIT  |  17:20 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.19(Wed)

Intermission 

EDIT  |  15:57 |  Art  .................  | Top↑
2008.03.09(Sun)

花 

EDIT  |  22:55 |  画(ゑ) ................  | Top↑
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