2008.05.03(Sat)

レオナール・フジタ展 


 フジタの作品を初めて見たのは、大学2年の冬、秋田駅にほど近いところに建っている平野政吉美術館を訪れたとき(1979)だったと思う。 旅行で北海道をまわった帰りクラスメイトの実家におじゃましたさいに案内してもらったもので、フジタのコレクションがメインといってもよい、内容の充実したりっぱな美術館でした。

 館内には、フジタが現地でまたたくまに描いたといわれる横長の大壁画「秋田の行事」(約26畳分の大きさ)をはじめ、凄味すら感じさせる毛筆で描いたシャープで緻密な日本画など、来館者がフジタの全体像を把握できるくらいのコレクション数を備えています。 (ちなみに美術館へ案内してくれたクラスメイトはこの年、1年の短期留学のためフランスに向いました) 

 今回のフジタ展はこれまで開かれてきたものと異なり、ながいあいだ行方が不明だった縦×横3メートルの幻の大作4点が初上陸。これらの作品は1992年フランス・オルリー空港近くの倉庫で発見されたもので、その後、精鋭のプロフェショナルの手により修復作業が始められ、このほど6年の歳月をかけたその作業がようやく完了。昨年の本国フランスでのフジタ展につづき開催されるものです。

 巡回5会場の出品総数が、油彩約50点、水彩・ドローイング約100点、アトリエ関連作品約100点、という目をみはる規模。主催者による「この類いまれなる世紀の天才画家の実像を明らかにし、いまだかつてない圧倒的なスケールで、藤田嗣治の実像に迫ります」 との案内文も素直にうなずけます。

 第2次大戦中はヨーロッパの戦火を逃れ日本へ帰国したものの、戦争画制作への協力を余儀なくされ、そのことが、戦後、さまざまかたちで批判され、祖国日本を発ったあとはフランスに帰化し、フランス人レオナール・フジタとして生涯を過ごした藤田嗣治。 そんなプロセスがあったことも忘れないで見てほしい展覧会です。

 7月からの開催なので少々早い御案内ですが、夏休みの旅行プランの参考情報に加えていただければ幸いです。 下記スペシャルサイトには、大作の詳細を鑑賞できるズーム機能のついた素晴らしいデッキが設置されています。ぜひご活用を。

   会 場 北海道立近代美術館
   会 期 2008年 7月12日(土)〜9月4日(木)
   特 設 レオナール・フジタ展スペシャルサイト

 ※ フランス=大作4点の修復完成を記念して、所蔵のエソンヌ県議会主催で2007年10月から開催された「線描の巨匠」展。Bienvenue sur www.foujita.essonne.fr



 【巡回スケジュール】

 ●北海道   会 場 北海道立近代美術館
        会 期 2008年7月12日(土)~9月4日(木)
 ●栃 木   会 場 宇都宮美術館
        会 期 2008年9月14日(日)~11月9日(日)
 ●東 京   会 場 上野の森美術館
        会 期 2008年11月15日(土)~2009年1月18日(日)
 ●福 岡   会 場 福岡市美術館
        会 期 2009年2月22日(日)~4月19日(日)
 ●宮 城   会 場 せんだいメディアテーク
        会 期 2009年4月26日(日)~6月7日(日)

スポンサーサイト

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

EDIT  |  21:00 |  Art  .................  | Top↑
 | BLOGTOP |