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2009.08.15(Sat)

父は戦争にいった 

 1917年。西の都市部からロシア革命の火の手があがったとき、数奇な人生を送った祖母、そして祖父は、まだロシア領内にいました。 商売をしていた西シベリアのオムスクと、その隣り町のトムスク。 祖父のベルトの内側にはいつも1丁のピストルが差され、上着の内ポケットには 非常時救急用の阿片(痛み止めの麻薬)。

 東へ東へと脱出を急ぐ途中、祖父が高熱で動けなくなり、ロシア兵に捕らえられることに。もはやこれまで、と観念しかけたところ、重篤な病状に より病院へ収容され、意外にも手あつい看護を受け、快復後解放されたとのこと。 それから28年後。 今度は父が、そのときの祖父母とは逆の西へ 向かうルートをたどることになろうとは……。

ウクライナの首都キエフ Kiev, Ukraine

 1942年、朝鮮半島の日本軍に召集され、1945年8月、旧満州ハルピンで終戦を迎えた父は、突然、怒涛の如くなだれ込んできたソ連軍に 捕縛され、まだ相当数いた他の日本兵とともにシベリア鉄道の貨物列車に詰め込まれました。

 ハバロフスク ~ チタ と通過して、イルクーツク に差しかかるあたりで、一瞬視野に入った軍艦の停泊する海。しかし、てっきり海だと思ったのは、 広大なバイカル湖。

 列車はすすみ、クラスノヤルスク ~ ノボシビルスク と通過する。その前後には、ロシア革命蜂起までの数年間祖父母が商売を営んでいた、 西シベリアの2つの町 トムスク と オムスク。

 父を乗せた列車はまだ止まらない。チェリャビンクス を通過して、さらに西へ西へ。

 …… えんえん1万3000キロほど揺られた劣悪な抑留列車が到着したのは、モスクワの南西ウクライナ地方(現 ウクライナ)。そこはロシア というより、“東ヨーロッパ”と呼んだほうがふさわしい。収容されたのは、世界制覇の妄想に取り憑かれた狂人ヒットラーが激しく攻撃し、破壊 した都市、…キエフ、…それにハリコフ。[ ウクライナ地図-外務省 ]

 父はその2つの町で3年間、強制労働に従事させられることになりました。緯度の高い寒冷な土地にもかかわらず、父はそこでマラリアに罹り、 生死をさまようことに……。

「 夕方になると、きまって熱がでたもんだった 」

 どこか遠くをぼんやり見やるときのような物腰で、そんなふうにいっていました。治療薬は、苦いキニーネ。

「 死ぬんだな、ここで 」

 病気でなくとも、ばたばた死ぬのだから、なにひとつ不思議なことはありません。賽の河原にほとんど両足を突っ込んだときには、思い出すはずの ないはるか昔のささいな記憶までが、あっというまに脳裏を駆け巡ったと、いっていました。

 しかし、父は、生き残った。極限の空腹で、歯にかぶせてあったかすかな金を剥がしてパンと交換したり……、とにかく、あの手この手で、生き残った。

 かつて何度か、黒海やカスピ海なんかの話もしてくれましたが、くわしいことはもう憶えていません。なんとか生き延びた父は、3年後、舞鶴へと復員 してきました……。そんな父が息子に教えたロシア語は、「ダー」と「ヤポンスキー」のふたつ。ロシア人の口真似をした声が、いまも耳に残っています。



  父は戦争にいった ~覚 書~



● My grandparents were still in a Russian territory when Russian Revolution happened in 1917. It is Omsk and Tomsk that grandparents lived. They did small business there. Then they left from Russia soon...

● My father participated to the Second World War in Asia.

After the war(August 1945), he was caught to Russian(Old Soviet) forces. Then, they carried my father on the Trans-Siberian Railway.

A month later, he arrived in Ukraine(Old Soviet territory). He was forced to work in Kiev and Kharkov for 3 years.

My father died in December 1999.

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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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